
皆さん おはようございます。
いよいよ今年も師走月になりました。
つまり残り僅か30日です。
せめて、この際にでも「記憶に残る心が喜ぶ事」をしたいもの。
そんな中、私は好きな日本蕎麦の初めて行く店に出向きました。
味は普通でしたが、
よくあるメニューに面白い文言が出ていたので、
それがこの店の評判を上げているんだなと分りました。
其処には店主が創意工夫を凝らして、客に美味しい物を味わって欲しい旨と
この店の空間は、店主の私と、その大事なお客さんの場であるから
まずは店主の言うことを聞いてくれと。
結論から言えば、
店主の言う事に、また作る味に賛同するなら来てくれと。
私の言い分や味に納得できないなら来なくて良いと。
普通、メニューに中々そういう意思表明は書かれていないので
ここは面白い蕎麦屋だなと思いました。
曰く、ここは居酒屋では無い。
なので酒を飲んでも大声で傍若無人な振る舞いはするな。
子供を連れて来ても良いが、親が面倒を見ず、はしゃぎ回るような事をさせるな。
その様な客に対しては、例え食事中でも退席して頂き、
提供した食材の代金は支払って貰うと。
つまり出て行けと言うこと。
昨今、飲食店でもその他の業種でも、
「その店のポリシーが分らない」「あるいは見えない店」が大半だ。
やたら無用な装飾にカネをかけ、
その割に従業員の教育が出来ていない店が多い。
その根源はオーナー、店主のポリシーの無さ。
「カネさえ儲かれば何でも良い」
其処に店側と客との繋がりなど殆ど無い。
今回の蕎麦屋は小さな店だ。チェーン店でも無い。
だからこそ、店主の声がハッキリ言えて届くのかもしれない。
けれど本来は、大きな店でも何十店舗ある店でも本質は同じこと。
それが昨今、「商売の基本理念」が薄れている。
そこで私は自分に置き換えてみた。
「俺の仕事は何の為にやってるんだ?」
まずは自分自身とスタッフの生活の保全が目的。
次は仕事を与えてくれるお客さんの為に良い仕事をする。
ひいては、後世に残る文化遺産の様な形に成れば最高だ。
元を正せば、「自己満足と顧客満足は表裏一体」だと言うことが分る。
よく高名な陶芸家が出来上がりの悪い皿を叩きつけて割るシーンがあるが、
それと同様に、
「作り上げた商品を何処まで自己評価出来るか」
これが大事だろう。
其処には当然、自分に対する厳しい戒め、自己評価が必要だ。
他人からの評価は自ずと後から付いてくる。
その姿勢は物作りでも接客業でも本質は同じ。
キャステルオートが作る「ミウラ」「ディノ」は世界最高レベル。
そう公言しているからには、嘘は許されない。
それが私自身が自分に課す責任と課題だ。
これが一般の人に通用するかどうか是非見に来てくれ。
だからいつでも「キャステルはオープンガレージ」だと言っている。
矢沢永吉は70歳を過ぎても常に自分の姿をファンにさらけ出している。
其処には日々鍛錬し、自分に厳しい生き方が見える。
だからこそ、コンサートは常に満席になるのだろう。
これが満席に届か無くなったら彼は直ぐに辞めるに違いない。
私も自分が妥協を好む様になったら直ぐに車屋を止める。
それが「プライド」と言うものだ。
2022年12月1日
うどんより蕎麦好きな
キャステルオート代表
鞍 和彦