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2023年はメモリアルな年にしよう。

皆さん 
新年明けましておめでとうございます。

ホームページのコンテンツの一つになればと思い書き始めた
このブログもいつの間にか12年の歳月が過ぎました。

世の中、短い物ではツイッター、そしてこのブログと
個人の意見や感想を伝えるインターネットツールは様々です。
それでも、
単なる車屋のオヤジが定期的に自分の仕事内容を書き記すだけで無く、
世相や過去に於ける自分の体験談を話すのは珍しいと思います。

それは私が歩んで来た、「かなり珍しい車屋」としての人生。
そして私が成人した
1970年代~現代までの激変と言って良い世相の移り変わり。
それらをネット上ではありますが、少しでも記事にして残しておく。

「それが後世の人にとって少しでも役立てば」
そういう思いから始めた事であります。

車で言えば、
横浜にあった「シーサイドモーター」
私がそこに入社した1974年の4月。

この頃、日本における
後にスーパーカーと呼ばれるイタリアの
「フェラーリ」「ランボルギーニ」「マセラティ」が日本に初登場。
日本人の目に実際に触れた年でありました。

実車の名前で言えば、
フェラーリでは、「365GTB4デイトナ」「246GTディノ」「330GTC」
ランボルギーニは、「400GTエスパーダ」同「ヤラマ」「ミウラP400」
そして1975年には、「カウンタックLP400」
マセラティは、「ギブリ」「インディ」「メラック」「ボーラ」「カムシン」

今振り返れば、
それぞれが個性際立つ集団のラインアップでした。
あれから50年。

僅か半世紀の間に、スポーツカーを取り巻く環境や
それらを作っていたメーカーも大きく変わり、
フェラーリも「FIATグループ」つまり国営企業の一員として、
外貨を稼ぐ為に目まぐるしいモデルチェンジ、ニューモデルを発表し
3年経ったら買い換えを奨励される。日本のクラウン並の「あざとさ」です。

マセラティはかなり前に企業自体が終わりを告げ、
今はフェラーリに吸収される形で名前を残すだけ。

ランボルギー二も、
カウンタックシリーズを最後にアウディに買収され、
派手なボディはイタリアン、中身はアウディ
そんな和洋折衷のメーカーになっています。

なので私は、
現代のイタリア各車のモデルには親近感も興味も湧きません。
理由は、あまりにも「普通のドライバー」がコントロールする領域を超えていると感じるから。
それと自動車と呼ぶより、
コンピューターがコントロールする「ロボットに車輪をつけた」自動車みたいなモノ
そんな気がするからです。

例えば、
ディノにせよミウラにせよ、レストアのためにバラしてみると
作り方が非常に単純に出来ていることが分ります。

miura 2022-oct-1
miura bear siyasi-1
miura blue 2022 2

つまり自動車が誕生した頃は、
まずフレームにエンジンを載せ、4つの足回りを作り
程良い場所に人間が座るシートを取り付け、
それらに見合うボディを載せる。

メーターもアナログであり、ミッションもクラッチ付きのマニュアル
だからバラしても復元可能な訳です。
言葉にすると「シンプルイズベスト」
dino L type 2020-13

ここでいきなり人間の生き方にワープします。

僅か50年前、電話はあったが「街の公衆電話」
携帯なんか無い、ポケベルさえ無い時代。
まだコンピューターが気軽に買える電化製品では無かった。

なので、何かモノを調べるには辞書か百科事典
彼女への愛の告白も「ラブレターを書いた」
当然、何をするにしても遅いし時間がかかる。
それが当たり前だから現代の様に答えを急がない。

「答え方が100%正確でなくても80%くらい合っていれば、まぁ良し」
その位の大らかさがあった。
理由は、人間の脳は「完璧」では無いから。

ところがコンピューターが進化するにつれ、
人間の脳にも100%の正確さやスピード化が要求されて来た。
だから現代人は、妙に疲れていて生き方が味気ない感じがする。

情報が多すぎて、しかも身近に溢れすぎて、
「もしかして自分は時代に取り残されているのでは?」などと思う。

つまり自身の脳の処理能力よりも、
世間の変化する構造やスピードに付いて行けなくなる気がするからだ。
だから焦るし、「何となく疎外感」を感じる。
要領の良い奴だけが勝ち組で、
自分みたいな奴は「負け組」ではないのかと。

それを煽る良い例が、
最近やたらテレビで蔓延る(はびこる)転職サイトのコマーシャルだ。、
「こんな待遇で?」「こんな条件で?」など、
今の自分のポジションを真っ向から否定するかの様に迫ってくる。

「よく考えてみてくれ!」

求職者が100人いたとして「スカウトに値する人間?」
おそらく1人か2人だろう。

それを貴方も、その一人かもしれないと「誘惑する」
これなど現代の
「架空の夢」「架空の欲望」を表わす時代背景を象徴するものではないか。

我々は今、「虚構の時代」を生きている。
これを認識し、そして否定する意思を持つ。
それが大切だ。

けして
グローバリゼーションやコマーシャルリズムなどに惑わされては駄目だ。
敢えて「一歩下がって熟考する」この姿勢を持とう。

趣味の車は当然、1970年代のネオクラッシックに限る。
何故なら「人間が作った時代のくるま」だからだ。
面白いし、親近感が湧くに決まっている。

今年は是非、「生きた車」を買いにキャステルを訪れてくれ。
心よりお待ち申し上げている。

2023年 1月4日
キャステルオート社長
鞍 和彦


プロフィール

CASTEL AUTO

Author:CASTEL AUTO
「子供の頃から純粋に車が大好きだった」

そんな無邪気な少年は自然の成り行きで
1974年、伝説のシーサイドモーターに入社。
49年経った現在も車に対する愛情と情熱は冷めやらぬまま
今日もひたむきに走り続けている。

キャステルオート
鞍 和彦

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