皆さん おはようございます。
今年も
あっという間にゴールデンウイークが終わり、6月が始まります。
すると、一月もすれば暑い7月が訪れる。
そう、ビンテージカーには辛い季節です。
「ビンテージ=50年くらい前の時代の車」
年月で言えば、「1970年」
確かに車の数はドンドン増えて来た時代でしたが、
今ほどでは無かったし、気温もそう。
だから当時の国産車も外車も、それほど「ヒート対策」はしてなかった。
例えばディノだと、
「昔の扇風機」みたいな、3枚羽根のプロペラ式電動ファンが付いていた。
「何故電動?」
それはエンジンの動力を使うと、それだけパワーロスするから。
事実、当時の国産車のエンジンルームを見ると、
クランクシャフトから、
そのまま伸びた棒に大きな扇風機の様なファンが付いている。
今それを見ると時代を感じます。
けれど現代、特に都市部では渋滞が当たり前。
しかもビルの空調のせいで、大気の温度がどんどん上がる。
なので、それ相応の対策をしないと、まともに走らせるのは無理。
つまり今の時代のレストアとは、
単に昔のスペックに復元するだけでは無く、時代にあった改造や改変が要求されます。
それも全ては、「ちゃんと走らせたいから」
博物館に展示するだけなら見てくれだけだけで良い。
私は常に「走り」に、或るいは「走り方」に拘りたいから手間をかける。
それがポリシーです。
昨日、オーストラリで買った「フェラーリの365GT4 2+2」
右ハンドルが横浜港に入港しました。
今回はお客様のリクエストでしたが、
初めて訪れたシドニーのメルボルンは本当に良い所でした。
この365GT4は、私がシーサイドで営業していた頃も新車で数台入ってきました。
対向車としては、
マセラーティの「インディ」 ランボルギーニは「エスパーダ」
しかし乗れば直ぐに分かりますが、
さすがにフェラーリは「クオリティ」が違うなと感じました。
ランボルファンには申し訳ないが、
エスパーダはデザインだけ、ほかはアウト。
マセラーティのインディは特に特徴無し、強いて言えば内装のみ。
このフェラーリは何が良いかというと、まず「エンジン」
究極のフロントV12と言われた「365GTB4デイトナ」の流れをそのまま受け継ぐ。
排気量まで同じ4300cc V型12気筒 DOHC
違うのはキャブレターがデイトナの「ダウンドラフト」
つまり上から下にガスが落ちる。
このGT4は「サイドドラフト」つまりキャブが横置きに付く。
理由は、エンジンのピークを下げ、市街地での乗りやすさを考慮したから。
なので完全な4シーターにしたせいもあり、
かなり重くなったボディを下からのトルクを重視しスポーツセダンの要点を満たしている。
勿論、純正でパワーステアリングも付く。
このGT4は初代の「365」から始まり、「400GT」「412」と進化では無く退化する。
400の初期には、まだマニュアルがあったが、
次第にクライスラーの3速トルコンを与えられ、
しかもキャブレターは廃止され、インジェクションになり、
412など、スポーツセダンではなく、ただのファミリーカーの様な車になってしまった。
もし受け継がれたスタイルだけに惹かれ、
412の値段が安いからと購入を考えているなら止めた方が良い。
きっとガッカリする。
やはり「男は黙ってマニュアル」なのだ、
今回の365GT4は珍しいホワイトの外装を与えられ、内装はブルーだ。
しばらく工場にあるから興味のある人は見に来たら良い。
下の画像はこれを買いにシドニーに行った時、街をテストドライブした。



ちなみに365GTC4は同時期に生産された兄弟車。
デザインは異なるが、同じエンジンを積む、個人的に好きな車。

運転席周りも同じデザイン


エスパーダは3回モデルチェンジをした。主に内装の変更。
珍しくオートマもあるがこれは最悪。


これはシリーズ 2の内装

エンジンはV型12気筒 4000cc
重いし、吹けないエンジンだ。

マセラーティに関しては、また後日。
私は当時、
マセラーティの日本総代理店にいたのだから良く知っている。
本当に私は70年代のスポーツカーの生き字引だね。(笑)