皆さんおはようございます。
シーサイドの頃、ディトナはそれほど数は多くはありませんでした。
理由は当時、フェラーリの中でも最高級のモデルで、価格も相応に高かったからでしょう。
それと、この4300cc V12のエンジンを自在に操れるだけの力量の持ち主が
なかなか日本にはいなかったのもその理由です。
なにしろ、比較するといっても、ポルシェでは1973年当時 カレラRSが最高でしたが
あちらは6気筒、2400cc ディトナの重量級の前では横綱と小結の差が出ます。
勿論、ポルシェはその軽量級のボディを活かして、走らせると非常に速かったわけですが。
またマセラーティはギブリでしたが、この車のV8のエンジンは4000ccもあるものの
低速重視で5000回転も回せばギブアップというものでした。
つまり高回転(6000回転以上)を回せて、そのくらいからまだ上が伸びる
というエンジンは当時なかなか無かったのです。
但し、最大のライバル、ランボルギーニのミウラだけは別格でした。
操縦性に不安定な部分はあるのですが、度胸を決めてアクセルを踏んでいくと
6000回転を過ぎてもまだ上があるよと、この獰猛な闘牛は自己主張するのでした。
但し、スピードが150キロあたりを超えたころから直進性が不安定になり
アクセルを踏むのも正に度胸が入ります。
だから私がミウラのデモ走行をする場合、必ず1速で回転を上げるのです。
スタンディングから6000回転も一気に回せば、その豪快なサウンドと相まって
横に乗る人は必ずミウラに魅了されます。
その点、ディトナは正にサラブレッドです。
高回転域に入ってもそのサウンドは澄んで、まるで楽器を奏でているような
官能的な音に変わります。
あくまで上品にです。
ディトナをこよなく愛でる人の最大の理由が、この高回転域のサウンドにあると思います。
次回は何故このエンジンが綺麗に廻るのか、解説したいと思います。





前期型は下のようにヘッドレストがありません。

この大径の(40センチ)のステアリングをもってしても、
すえぎりは女には絶対に無理。
とにかく重い。それがアメリカ人には逆に個性として受けるのです。