フレームとは人間で言えば、骨格である。

皆さんおはようございます。

昨日はディノのボディワークについてさらっと触れましたが、
実際は板金屋泣かせのボデイが多いのが実情です。
理由は、当時フェラーリがこの車をそれほどたいした車とは位置ずけてはおらず
パネルに使った板も薄い鉄、おまけに防錆処理も特にはされておらず、
水が溜まるドアーの下部とか、リヤーフェンダーの内側など
錆びても当然と言う状態でした。

それらを直すには鉄の板を切り貼りしてパネルごと修復しなければなりません。
当社は今まで、100台以上のディノを手掛けてきましたが、
中には厚いパテを(厚さ1センチも)剥がしてみると、なんと板と板をリベットで留めているなんて
荒っぽいことをされた個体もありました。

よくディノは古い車だから、多少ボディが錆びてても仕方ない とか言う人がおりますが
それは間違いですし、そんな個体を目をつぶって買うべきではありません。
何故ならもう表面に錆が浮いているのなら、その内部は完全に腐ってグサグサだからです。

まだパネルが腐っているのならともかく、問題はフレームです。
当たり前ですが、車は基本的にまずフレームがあって、その上にボディがのります。
特にディノのようにモノコックの場合、ほとんどの応力はまずフレームが受けおい
それをボディのパネルで分散するようにできています。
ですので、スポーツカー、あるいはスポーツカーらしい走りを求めると
強靭なフレームが必要になるわけです。

ところがみなさん、ディノを下から覗いたことがありますか?
大きな板が(ファイバーで出来ている)床下に貼ってあってフレームは全然見えません。
つまりそのでかい板を剥がさないとフレームは見えないのです。
それは厄介なことに多数のりべットで留められています。
それが大半のディノの全塗装などと言われる仕事の、フレームには手を付けない
理由なのです。多分大丈夫だろう、とか。

ところがはしご状になっているこのディノのフレーム、
そのメインのチューブ状になっているセンターフレーム
ここには大きな問題が隠されています。
ディノはミッドにつまり後ろにエンジンを積んでいます。
ではラジエターは何処?
車の一番前ですよね。
ということはエンジンからラジエターまで往復するホースが必要になる。
それがなんとメインフレームのチューブの中にあるのです。(直径5センチくらいのゴムホースが2本)

当たり前ですがエンジンが完全に温まれば、水温は90度以上
つまりそのチューブの中を90度のクーラントが往復するわけです。
だからディノのセンターコンソールはメチャ熱くなり、シフトレバーも
それに影響して夏場など触れなくなるくらい熱くなる。

そこまでは仕方ない部分です。
ところが空気には水分が含まれています。それが100度近くまで温められて
ドライブが終わり、ガレージに車がしまわれると、急に冷えて水滴になる
おまけにチューブの中はホースで隙間なく、空気が流れることはありません。

もう一つ手を課すのが断熱材というグラスファイバーです。
これは車内の床下からアンダーカバーの隙間、7~8センチの中に
びっしりと入れてあります。
つまり毛布をかぶったと同じ事。そこには空気が逃げる隙間がありません。
だからフレームは腐るのです。

いまから10数年前ですが、当社も全塗装だと言いながら、
面倒だと言う理由でフレームのカバーを取らないで仕事をしていました。
そうしたら、納車してからあるときお客がリフトに車を上げて
アンダーカバーを外したのです。
結果は悲惨な状態でした。
特に問題になったのは、アクセルのペダルを支えているフレームから
伸びた棒状の物。
これがもう少しで折れそうだったのです。
お客が怒ったのも無理もありません。
相手はあなたにフルレストアを頼んだのに、なんだこれはというわけです。
結果裁判にまで発展し、大阪の地裁に行きました。

ただ、その頃、ディノ販売価格はまだ1200~1300万くらい。
そんな値段でどこまでレストアが出来るんだという私の主張に
裁判官も同調し、私の勝訴でした。

それ以来、キャステルではレストアを依頼するお客には
内容を説明し、これくらいの費用はかかる、(ディノで1500万ほど)
との了承を得ています。
例えば今回のレストア中のディノ
販売価格は 税抜きで 2800万 税込で2940万です。
そうすると 本体が1300万 レストア代が1500万になります。
ところが今は 素材としてのディノの相場が上がり
平均したら 1800万くらい。
だから3000万以下で売ることが出来るのも今の内 そういう事です。

では画像を見てください。

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この画像の真ん中にあるのがセンターフレームです。
床下のファイバーが見えます。
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このようにフレームの修正、補強は非常に手間がかかる仕事です。
ただし、これをやるのがレストアの第一歩です。
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