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BBシリーズは今が買い。

皆さんおはようございます。

今までBBのシリーズは不当に低い評価をされてきました。
例えばそれ以前のディトナなどと比べても。
しかし最近さすがに他のフェラーリの上昇(急激な)に吊られる形で
海外の相場が上がり始めました。

最近の円安の影響もありますが、BBインジェクションでさえ日本円で2000万以上です。
となれば?
比較論でキャブレターモデルの方がインジェクションよりも相場は高い。
系列で言えば、当然365BBは別格。

なので、私の2~3年後の予想としては
365BBはレストアレベルでは 5000万以上 並で3500~4000万
512BBは レストアレベルで 3500万以上 並で2000~3000万
512インジェクションは  レストアレベルで2500万~3000万
並で2000万

このようになると思います。
私の予想は今まで外れたことはありません。
ミウラは借金してでも買っておけと、何度も話したことを覚えている方も多いでしょう。
その頃の相場は高くて4000万
今は7000万以上です。

ちなみに今回在庫の黄色の512BB キャブモデル
これは 1750万+TAX=1837万にしました。
勿論、最高のコンデションを保証する内容です。
世界レベルでは格安です。
証拠にドイツ人のバイヤーが(ピーターでは無い人)が買いたいと
連絡をよこしています。

さて、今日の本題です。

昔私がシーサイドモーターに在籍していたとき(1974年~)
365BBの日本1号車が入荷しました。
全くのまっさらの新車です。

それを私とMさんで試乗に出ることになりました。
たしか75年の秋頃だったと思います。
充分にウォームアップを行い、ステアリングはMさんが握りました。

ショールームの前を出て一号国道を第三京浜の方に向けて走り出しました。
Mさんはいつもの自分のディトナのようにアクセルペダルを深く踏み込めば
豪快な加速が得られると思ったのでしょう。
確かにディトナの場合、あまり神経質に考えなくとも
アクセルをガバッと踏み込めばエンジンは駄々をこねずに素直に反応します。

ところがこの365BBの新車は違いました。
Mさんがアクセルをグッと踏み込んだら、エンジンはまるでストールするかのように
息込み、人間で言えば咳き込むような感じで
3000回転からスッと下がり、アイドリングあたりの回転数でゴボゴボ言っています。

Mさんは驚き、なんだこの車は加速していかねーじゃないか!!
といつものベランメー口調で怒鳴りました。(ちなみに彼は空手の有段者です)

私もこんなのは初めてでしたので、新車なのに何故なんだろうと思いました。
Mさんは仕方なしにアクセルを何度か細かく煽り、(ここらは流石です)
上手く回転を3500くらいまで上げ、カムに乗ったなとみるや
アクセルを全開にしました。

するとそれまでのイヤイヤが嘘のように365BBはミッドシップ独特の
こもったような音を出しながら豪快に加速し始めました。
もとい、し始めるというより1速では瞬間的に7000Rpmまで周り
スピードに乗ったBBは2速でも簡単に6000から7000に回転を上げていきます。

Mさんにはエンジンの慣らしという概念は無いようでした。

その時のBBの状態は隣に乗っている私でも充分に解るくらい姿勢が安定し
かつ視線は低く、スピード感のあるものでした。(ディトナは視線は高い)
エンジンサウンドはディトナのやや金属音を伴うような音から(カム駆動がチェーンだから)
まるでモーターのようなサウンドに聞こえました。(カム駆動がプラのベルトだから)
その音質の違いはかなりの差がありました。

勿論、ディトナはフロントエンジン、だからマフラーはかなり長くストレートに
ボディの下を通り管楽器のようにしびれる音を奏でます。

かたや365BBはエンジンがミッドシップ。
かなり複雑なマニフォールドからマフラー3個の取り回しです。
音質は短い曲線を用いているせいか、くぐもったような音になります。

Mさんはやっと満足そうな笑顔を浮かべて、
これが新しい世代のフェラーリかと言いました。

その言葉通り、日本に新時代のフェラーリ ミッドシップが降誕したわけです。
私はその瞬間に立ち会えたことができてラッキーだったと思います。

続く

プロフィール

CASTEL AUTO

Author:CASTEL AUTO
「子供の頃から純粋に車が大好きだった」

そんな無邪気な少年は自然の成り行きで
1974年、伝説のシーサイドモーターに入社。
49年経った現在も車に対する愛情と情熱は冷めやらぬまま
今日もひたむきに走り続けている。

キャステルオート
鞍 和彦

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