みなさん、こんにちは。
歴代のフェラーリ12気筒シリーズの中で最も不当な評価を得ているのが
BBシリーズなのは間違いありません。
何故?
私から言えば何処がそんなに悪いの?
と大きな疑問です。
その理由はこのBBシリーズしか無い、アグレッシブなデザイン。
しかもそのエンジンはフェラーリ始めての水平対向。
それ以前のディトナなどとは180違う全体のつくり方など、
フェラーリがやっとメジャーになるべく時期に作られた言わばエポックメイキングな車です。
それが何故不当な評価を受けるのか?
その答えは殆どのユーザー、あるいは脳が無い自動車評論家などが
このシリーズの本当の良さを知らない、あるいは気づいていないからです。
私はいつも言うようにこのBBシリーズ、
365の新車から最期のBBインジエクションまで全ての新車をそれぞれ5台以上
販売し、それプラスその後数多くの中古車にも携わってきました。
なので、このBBに関して世界でもまれなエキスパートであることは間違いありません。
どのような前説があろうとも、車というものは走らせてみて始めてその良さ、悪さが判ります。
つまり私のように新車、中古車含めて
同じモデルを10台以上も走らせてみて始めてその真実が見えてくる、そういうわけです。
しかも最近の車のように何処のメーカーの車でも目をつむらされてその車に乗り込んだら
何処のメーカーの車か判断がつきにくいのとは対照的に
1970年代のそれぞれのメーカーは、むしろ自社の特徴をできるだけアピールしょうと
ポルシェはポルシェらしく、BMWも同じ、ジャガーもその静けさをアピールし
フェラーリはマフラーからのサウンドで直ぐにそのメーカーが解ると言うような
差別化、個性化を目指しておりました。
昨今のビンテージと呼ばれる40年以上前の車たちが脚光を浴びてきているのも
単なるノスタルジックではなく、単純に昔の車のほうが面白い、楽しい
そんな理由からであると思います。
さて、BBの話です。
その生業は話が長くなるので省略し、今回は最期のモデル
BB インジェクションです。
BBシリーズの3世代の最後のモデルとなるこの車は
1982年にマラネロからデビューしました。
12気筒で始めてキャブレターを廃止し、燃料の吸気をインジェクションにしたのが
この車です。それだけでも十分にフェラーリの歴史に残る出来事です。
日本に初上陸したのは1982年の頃、
私はといえば、細々とブローカーをやりながら食いつないでいた頃です。
何しろ1980年の2月にシーサイドが倒産してしまい
私には何も残されたものはありませんでした。
あったのはわずかな元の顧客リストの電話帳だけです。
しかもそれまでの10階建てのビルがあった信用と比べて、私はそれこそ身一つ。
常識で考えてそんな男に何千万も預ける人はいないでしょう。
ところが本当にありがたいことに、少なくても10人はそんな私を応援してくれる
お客様がおりました。
その中の一人が、スーパーカーブームの立役者
池澤さん。
彼は新車を乗り継ぐのが大好きなスタイルで、
このBBインジェクションも出たら直ぐに私にオーダーを下さりました。







この画像は池澤さんのものではありません。
お話は後ほど、続きます。