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スーパーカーレコード

皆さん、おはようございます。

今日は音だけのレコードの話です。
時は1976年ころ。
今からすでに38年も前の話です。

そのころ、音楽を聴く方法といえば、
自宅のラジオかレコード屋に行って買ってくるシングルかLPのレコードのみ。

レコードの次はカセット、その次がCDとなるわけで、
今となればかなり古いシステムの時代でした。

でも、なんでもそうですが、人間、興味を持つモノに対しては
とことん、探究心を持つものです。

例えば今の AKB48。
どんなものでも、彼女らが出ている情報なら手に入れたいと、新聞まで発行されています。

当時のスーパーカーキッズ、
今は40過ぎたおっさん。
彼らの憧れの対象は、勿論スーパーカー
それらをなんとか身近に感じたい。
その音を聞ければ言うことはないけど、
地方に住んでいる限り、そんなチャンスはありえない。

それを商売になると読んだレコード会社の営業も先を見るセンスが
あったと言わざるをえませんが、(演歌等が主流であった徳間音楽工業)
それを実際に作ってしまった、私の才覚も優れていたのでしょう。

なにしろ、企画を持ち込まれた時から、シナリオの作成、実際の録音の手配(場所等)
勿論、録音時の運転
編集に関わるまで、ほとんど全て私が仕切りました。

勿論その後ろには、社長、己晴さんの、
お前の好きなようにやっていいよ、の一言もありましたから。

私は学生の頃も自主制作の映画を作ったり、物を残すことが好きでした。
それは今も変わらず、レストア本も同じ趣向ですし、
今度は、ビンテージカーの買い方の 本も作ろうと思っています。

さて、最初の企画はとりあえず、走行音を収録してシングル盤の1枚を作りたいとの
要望でした。

音といえば、排気音に決まっています。
ちょうどピッタリのタイミングで、最高な音を奏でる車がありました。
例のイオタです。
誰も反対するわけはなく、最初の車はイオタにあっさりと決まりました。

この車は後に私が神戸のお客様に売ることになるのですが、
この時はまだ買い手がついておらず、色も当初のダークブルーでした。

まず初めに行ったのが、エンジンを始動してブリッピングをし、
静止状態から発進していくサウンドです。

何しろ音が大きいので、近所迷惑にならないことと、
交通量が少ない時間帯、場所を選んでいくと
本牧の保税倉庫街の近く、時間は深夜2時以降ということになりました。

道路にいくつかの集音マイクをたて、合図とともに
私は何回もスタートから二速三速くらいまでの加速を行いました。

その録音テープを聞いてみると
遠くからエンジンがかかったイオタが発進し、
大きな加速音とともに近づいてきて、マイクの前を轟音とともに
通過し、そのまま遠ざかっていく、、、
そういうステレオ的な音が録音されておりました。

まずは合格です。
何しろスーパーカーファンのためにできるだけ喜んでもらえるものを
作りたいと、真面目に考えていましたから。

その次は実際に走らせて、車中での音を録音するというものです。
但し、マイクを部屋の中に置いたのでは、どうしても外の排気音が上手く聞こえず
マイクをリヤーカウルのマフラーの近くにテープで貼り付けるという技をやりました。

助手席にはそこからコードで繋いだ録音機を膝に抱えた録音技師が座り
私がドライブしながら排気音の大小を加減するというものでした。
走行シーンの録音場所は、第三京浜
時間は勿論、深夜です。

ところがこれが意外と難しく
100キロ前後で普通に走っていては、意外と単調な音に終始し
ドラマ性がありませんでした。

そこでディレクターと相談し
100キロから200キロくらいまでの間を
加減速し、加速時の音、減速時にはシフトダウンを繰り返し
エンジンブレーキの音など、メリハリのある音を作ろうとトライしました。

その作業の中で前回お話した、往復12分という記録が作られたわけです。
今、考えれば私も若かったなと。(27歳)

その努力のおかげか、発売したシングル盤のドーナツ盤レコードは
かなりの数の売れ行きを記録し、(特に大きな宣伝もせずに)
気をよくした徳間音工は、第2弾としてフェラーリの365BB、
次にカウンタックLP400、普通のミウラSV
ポルシェターボと
またたくまに作り上げ、最後にはLP盤の全曲集?まで 作成しました。

勿論全部の車をドライブしたのは私です。
結果、当時の歌手が歌っているレコード以外の
例えば蒸気機関車の音など、
それらを抜いて、一時はオリコンチャートの上位にまで
いく勢いでした。

当然会社には数百万円の印税が支払われ、
私にも当時の国産新車が買えるくらいのおこずかいを、会社には内緒でもらいました。笑い

ところが今現在、1枚もそのレコードは手元にありません。
昔を振り返らない私の性格が反映したのだと思います。
欲しがるままに、与えてしまったから。

続く

プロフィール

CASTEL AUTO

Author:CASTEL AUTO
「子供の頃から純粋に車が大好きだった」

そんな無邪気な少年は自然の成り行きで1974年伝説のシーサイドモーターに入社。
46年経った現在も車に対する愛情と情熱は冷めやらぬまま
今日もひたむきに走り続けている。

キャステルオート
鞍 和彦

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