皆さん、おはようございます。
私は子供の頃から腕時計が好きで、
中学生の頃、お金持ちの友人が親に買ってもらった
腕時計をしているのを、とても羨ましく思いました。
たしか、リコーとかいうメーカーのです。
彼はあるとき壊れて動かなくなった時計を、私にくれました。
多分いつも欲しそうな目をしていたのでしょう。
それでも私には生まれて初めて持つ腕時計。
皆さんは壊れているなら、時計では無いだろうと思うでしょうが、
子供の感覚は大人とは違います。
私は大阪の難波(なんば)という繁華街に親に連れられて行く時も
この動かない時計をとても嬉しく腕にはめていきました。
理由は、腕時計をすることによって、
大人の世界に仲間入りしたような、そんな気分になれたからです。
多分、周りの人からは針が動いていまいが、
そんなのをいちいち見ている訳がないだろうと。
だから必要もないのに、その動いていない時計を
何度も袖をまくり、見るふりをしたのでした。
時が経ち、私が一番初めにロレックスを買ったのは
シーサイドが潰れてその2年後くらいでした。(1982年)
お客さんの中に時計の仲買人をしている人がいて、
安くしてやるから買っておけ、と言われてGMT というモデルを買いました。

新品で12万くらい、今なら70~80万くらい?
この時計はとても気に入り、その後、何度もオーバーホールをしながら
25年くらい持っていました。
友人から、毎日私がGMTをしているのを見て
鞍さんといえば、ロレックスのGMTのイメージだなと言われたほどです。
ところが、1980年の後半、思いもよらぬバブルが訪れました。
私も調子こいて、泡踊りを踊ったのは前にも言いました。
あるとき、親しくなったアメリカの車屋にこちらから ベンツの300SLを売りました。
そうしたら、彼らは私に 10,000ドルの(当時で150万)コミッションを
くれるといいます。
ところがその頃、それなりに儲けていたので
私はお金の代わりに 新品のロレックスを欲しいと言いました。
それが全部ゴールドのいわゆる金無垢、
そのディディトというモデルです。
彼らはニューヨークのロレックス本店にオーダーをかけて
私の希望した、ホワイトフェイスにビッグローマンという
金文字のかなり派手なバージョンを作ってくれました。
税関を通すと税金が発生するので
その店のセールスが日本に来るときに手持ちで運んでくれました。
勿論、誇らしげに私が着けていたのは言うまでもありません。
その頃の足車は ベンツのSクラス つまり一番デカいやつです。
腕には金無垢のロレックス。
まさに怖いものなし? 状態で狭い道で対向車が来ても
オラオラ どけちゅーてんねん、 と何故か大阪弁?
下手なヤクザもまっツァオ状態でした。
ところが、人生一寸先は闇です。
1990年にバブルがパンクし、
収入は激減。
おまけに前の年の収入に比例してドカンと税金の請求がきました。
仕方ありません、まずベンツを売りました。
足をしょぼい国産車に替えて しのいでいたら、
本当に食えなくなってきました。 (1993年ころ)
その間、そのロレックスは質屋をいったりきたり。
そこのオヤジとはすっかり顔なじみになり、「また来てね」と言われました。
そうこうしていて、5年目。
私は一大決心をしました。
時計はまたいつかは買い戻せる。
それよりもブローカーながら、少しは身を引きたたせる車を買おうと。
なにしろ、その頃、乗っていたのはポンコツのアコード。
私はロレックスを買取屋に持っていき、60万で買ってもらいました。
その足で国産の中古屋に出向き、普通のクラウンを買ったのでした。
つまりロレックスがクラウンに化けたのです。
でも何が幸いするか世の中わかりません。
そのクラウンに乗り始めた頃から、商売は上を向き始め
結局4台のクラウンに乗り換えました。
最後はアスリートという、それなりに速い車でした。
その間、時計の事はあまり頭に無く、つまり余裕も無かったのでしょう。
最後まで手放さなかったGMTだけがありました。
ところがつい最近、
あるお客様がロレックスの金無垢をはめているのを見て、
私の心がメラメラと燃えました。
俺も今年で63歳、先は長くない。
昔の誓い?はどうした?
今、買わないと死ぬまで買えないぞ(少しオーバーだが)
そう思うと、いてもたっても、たまらずヤフーのオークションを探し回りました。
それで見つけたのが、昔、私が持っていたのと同じ白フェイスのモデルです。
金額は相場。
わざわざ昨日、神戸まで出向き買ってきました。
現物を見て買う主義なので。

ここで表題の文句にリンクします。
おそらく、ロレックスを持つ男の数は 500人に一人くらいか?
それとも もっと少ないかもしれません。
ではこの金無垢のロレックス 100万以上します。
何人に一人持っている?
私の推測ですが 1万人に一人です。
こんな派手な商売(ただそう見えるだけ)の私でさえ
一度手放した、時計を再び買うまで 20年の歳月が必要でした。
だから簡単なことでないことは私が一番よく分かっています。
でも、あえて私は皆さんに言いたいのです。
”
1万人に一人の男を目指せ”と。
少し下げて1000人に一人でも構いません。
つまり人が出来ないこと、並みの男が持てないもの
それを手に入れる努力をしろということです。
数千万のスポーツカーは手に入れるのが非常に難しいのは当たり前。
でも数十万、あるいは100万位を目標におけば
努力をすれば叶うのではないですか?
私の場合、その目標がロレックスでした。
現在、ブルーサブマリーナというのも愛用しています。
時計のことならなんでも相談に乗ります。
気軽に連絡ください。車同様に。