それでは今回のミウラのテストドライブの話です。
ミウラの場合、他の車と比べてハンドリングが神経質なことが特徴です。
今のフェラーリ、ランボルと比べるのは可哀想ですが、ミウラは直線でも150キロを超えだすと
ステアリングが不安定になってきます。路面の凹凸に敏感に反応し、絶えずステアリングの細かい
修正が必要となってきます。これは私が今までドライブした、30台以上を越えるミウラの大半が
そうでした。その理由はフロントサスペンションを支える、フレームの強度が不足しているためと
思います。今まで何度もアライメントの調整も行いましたが、決定的な理由ではありませんでした。
アライメントは、キャンバー、キャスター、トーインとなりますが、ミウラの場合キャスターが不足
しているのかが理由かもと思います。そのためか、普通の車ではステアリングを切り、そこで手を
話すと車は元の直進に戻ろうと、自然にハンドルを戻しますが、ミウラはそんな事はありません。
ステアリングを切ったら、そのまま、、、元に戻ろうとはしないのです。これがミウラの特性です。
これは程度の大小はあれど、殆どのミウラにでます。ですので、首都高速のような右左のカーブが
続くコースではステアリングに気を抜くことは出来ません。

2番目はそのドライブポジションです、ミウラはまずボディのデザインが出来てその中に
ドライバーの居住空間を決めたので、(しかもイタリアンの男のサイズで)
かなりタイトです。ご存知かも知れませんが、イタリアの男は意外と小柄です。
身長170センチを超える人は少ないのです。このあいだ、お会いしたランボルギーニの
テストドライバーを長年務めた バレンチノ バルボーニさんも小柄でした。
ですので、ミウラの場合身長175センチ以上であれば確実に頭がルーフに触ります。
しかもペダルが3つ揃って、手前に来ているので、足の長い人は(身長のある人は)
がに股のスタイルになります。その割りにステアリングが遠いので、
言い方は変ですが、モンキースタイルというわけです。
これがミウラの次の特徴です。
ですので、細かいステアリングの操作は難しい、そうなるわけです。
明日はエンジン、ミッション、ブレーキなどの解説をします。