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RM オークション

皆さんこんにちは。

アリゾナは全米の中では開拓が遅れた場所でもあります。
理由はそこの気候。
いわゆる砂漠地帯で1年で雨が降るのは殆ど無いそうです。
だからそこに人間の住める環境を整えるにはかなりな手間が必要だったということ。

例えば最低限、人間に必要な「水」の確保。
これも遥か遠い隣の州からパイプラインをひいて賄っています。
かつてここには先住民の「インディアン」が住み、
環境に順応して慎ましやかに住んでおりました。

そこに東部から「アメリカ開拓」の名のもとで
騎兵隊やら、その他の白人が押し寄せ、
テレビの西部劇でよく見る領土の奪い合いが生じたわけです。
勿論、武器は弓矢や槍で戦う先住民に対して
ライフルやピストルで応戦する白人にかなうわけがありません。

結果、先住民は税金の免除、居住区の確保 など白人の甘い言葉で
傀儡され、狭いエリアに住まわされることになりました。

現在は? 先住民の子孫は、
ましな仕事にもつけず隔離エリアのようなところで
細々と暮らしています。
知られざるアメリカの負の一面です。

その歴史があるからかどうかは分かりませんが
この地域は、全米の中でも自分のことは自分で守る
そういう意識が強い地域のようです。
言葉でいえば 「フロンティアスピリッツ」
意味は 開拓魂 とでも言いましょうか。

そうなると必要なものは?
そう、武器である「ガン」です。
実際アメリカでは、大手のスーパーにも ガンショップがあり
住民票の登録さえしていれば、わずか数日でガンが買えます。
その値段も ユーズドなら30$くらいから。(5000円)
子供でも買える金額です。

ここアリゾナでは武器を所持するのは個人の自由です。
私は着いたその日に、恒例のスペアリブを食べに行きましたが
そこの店内でも、腰にガンをぶら下げた男たちを見ることが出来ました。
多分、私服の警察官だと思いますが、日本では考えられない光景ですね。

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このスペアリブとコーンサラダ、コークなど飲み放題で約10$です。
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この男は、かなり戦闘性の高いガンを持っていました。
銃口が短く素早く撃てるタイプです。
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話は変わりますが、
私は今までに、本当に沢山の海外リゾート地を見てきました。
そこで思うのは、
日本人と比べて、特にアメリカ人は「贅沢な時間」を演出するのが
とても上手だということ。

勿論、日本にも京都の老舗旅館など
純和風の「雅」を演出する施設は存在します。

ただアメリカという国は、元々「ゼロ」から始めた国です。
なので自然を変えようが、そこに元々住んでいたインディアンを追い出そうが
自分たちの好きなようにやる、それが徹底しています。

例えば欧州の 特にイタリア人など、
古い年代の車は、古いままが価値が有る。
内装の革が破けていようが、
塗装のペンキがはげようがオリジナルのままが良い。

かたやアメリカ人は、オリジナルの内装が無くなろうが、
とにかく徹底的に、見た目を新車同様に拘る。
どんなにそれが古くてもです。
それが時に、オーバーレストアとか言われることもあります。

今回のRMオークションの舞台になったアリゾナ州にある
「ビルトモア リゾート」
元々砂漠だったところに全部、人工的に木を植え、
芝生を全面に引き、やることは徹底しています。
そこの建物は有名な建築家 フランクロイド氏が設計したもの。 
東京の帝国ホテルの本館を設計した人と言えば解るでしょう。
ですのでかなりクラッシックです。
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基本は、ホテルを中心に建てられていて
広大な中庭に面して各部屋が立ち並びます。
その名前は ウォルドルフ アストリア ホテル
例のニューヨークの5番街に建つ、アメリカで最も老舗のホテルの系列です。
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後ろの岩山が見えますが、それが無ければ砂漠のリゾートには見えないでしょう。
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そこに集うのは金持ちの白人、そう相場が決まっています。
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レストランには歴代の大統領の写真が飾ってあります。
JFKとジャクリーヌの若い時の写真も。
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アジア人である私は少し遠慮して反対側に座ってみました。
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いつも言うように、
実際にその場にいないと本当の事は判りません。
本当のとは、いわゆるその場の空気感です。

200万円のロレックスをしていようが、彼らから見ればあくまでビジター
そこのところを理解して行動しないと、本物の世界に通用する男にはなれません。
英語で会話するのは当たり前の条件。
彼らが日本語を理解しようとする訳がありません。
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握手しているのがRMのセールスマネージャーです。
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皆さん車を見て、本当に新車のようだと褒めてくれました。
ただし、オークションの怖さはその褒め言葉がビッド(応札)にどれくらいまで
反映するかが読めないところです。

今回、前にも言ったように、全体的に指値は低調で
この車など、数少ないものだけが推薦価格を上回りました。
オークション会場にはかなりな人数の人が集まりますが
その大半は、ただ見ているだけの人。

今回も、ある金額を超えると、場内の応札者はいなくなり
電話での応札者が二人竸って、まあまあの金額になりました。
私も内心はヒヤヒヤしました。
ここまで車を持ち込むまでにも、かなりな費用がかかっているからです。

例えばアメリカに車を入国させるだけで 
オークション側の推薦価格の
2.5%の税金を支払わないといけません。
おまけに落札した金額の10%をRM側に取られるのです。
なかなか厳しいシステムです。
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後ろに立っている人が電話で応札している人を担当しているわけです。
応札が上がるにつれ立つ人は減ります。
最後は二人になりました。

その時点で会場にいる人は全員ダメ 誰も手を上げません。
これを見てもアメリカの景気後退というか
ファンドの連中がいなくなったことが分かるでしょう。
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今回の参加は、当社の実力が
世界レベルで、どの程度評価されるかのテストの意味合いもありました。
評価が金額で示されるので非常に分かり易いわけです。
その結果として、私としては世界レベルのレストアに充分自信が付きました。
それを踏まえ、より高い頂きを目指そうと思います。
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”人生は常に進歩、変革の繰り返しが必定”
それを怠っては、必ず敗者になります。




プロフィール

CASTEL AUTO

Author:CASTEL AUTO
「子供の頃から純粋に車が大好きだった」

そんな無邪気な少年は自然の成り行きで
1974年、伝説のシーサイドモーターに入社。
49年経った現在も車に対する愛情と情熱は冷めやらぬまま
今日もひたむきに走り続けている。

キャステルオート
鞍 和彦

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