皆さん おはようございます。
私はスポーツカーであれば特に好き嫌いはないのですが
どうしても私の仕事のルーツである、イタリア車に傾倒してしまいます。
なので今までも自分の商売の対象として、あまりポルシェを重要視しておりませんでした。
ひとつの理由はあの「地味?」なボディスタイルです。
たしかにフェラーリだの、ランボルだのと比べるとかなり地味に見えます。
そこがドイツ車らしいのですが。
私も今まで何十回もドイツ、イタリアを訪れました。
そこで感じるものは、アルプスの山を挟んだだけで劇的に変わる
国民性、生活のスタイルです。
ドイツは昔から面々と伝わる 「ゲルマン民族としての誇り」
イタリアはローマ帝国に代表される「ラテン民族としての誇り」
この両者は決定的に異なります。
簡単に言えば、ドイツは「質実剛健」
イタリアは「チャオの言葉が代表する明るく軽い気質}
これにはかなり両国の特性である
「気候」が大きく影響していると思います。
アルプスを挟んで、ドイツは大体曇りがち
イタリアは燦々と太陽が降り注ぐ
これでは国民の気質に影響を与えない訳はないでしょう。
そこでドイツを代表するスポーツカー ポルシェの出番です。
今回私はあるお客様に依頼され
ポルシェのルーツである 「356}
その中でも最も古い 「356プリA] と言われる車を
ロンドンに買いに行きました。
年式は 1954年製
私が1951年生まれですから、僅か3歳の時にこの車は既に一流の
スポーツカーとしてこの世に存在していたわけです。
昨日 本牧の港に着いたこのポルシェを引取りに行きました。
ロンドンの郊外でテストドライブもしたので、
問題はないと思い、工場まで自走するつもりで行きました。
エンジンを始動させ走り出すと、この60年前のスポーツカーが
よくエンジンが回ること、
レース仕様にモデファイしてあるので、殆どストレートのマフラーからは
甲高い音が弾きます。
4000回転も超えると音が整い、下手なフェラーりよりも官能的な
サウンドを響かせました。
思わず笑いが出たほどです。
私の仕事で一番楽しいこと、
それはあまり期待していなかったものが、期待以上の答えを出してくれた
そういう瞬間です。
今回のポルシェはそれを十分に与えてくれました。

フロントスクリーンが真ん中で角張っているのがプリAの特徴です。
そのあとのモデルは普通にラウンドしています。


お尻から出ているのがストレートのマフラー

ラリーモンテカルロに出た時の画像



今回、この貴重な車を快く譲ってくれたイギリスのコレクターにも
感謝です。
当社は今回のような どのような希少な車でもオファーに応えます。