fc2ブログ

好きな事に限界はあるのか?

皆さんおはようございます。

趣味の中でも自動車の趣味は結構お金のかかるものです。
素材の車にしても確かに上を望めばキリがありませんが、
早くて格好の良いものを望めばそれなりに金額が張ります。
おまけに買ったあともメンテナンスが必要です。
なので私は最近のビンテージブームも
普通の車好きの男が急に古いものを欲しがるわけもなく、
あるいは急に金持ちになったわけでもなく
この地球上に存在する「金が余っているグループ」の連中が
絵画やその他の骨董と同じたぐいに、投資目的で市場に参加している
その結果であろうと思います。

だからオークションなどで落札された車達は、
大半がそのまま倉庫にしまわれ
まともに車としての役割を果たす事がないのが実情です。
つまり走らせることが無いのです。
当然、寝かす時間が長くなるほど車は傷みます。
犬でもなんでも檻の中に閉じ込めて1年も経てば
走ることはままならなくなるのと同じです。
なので本来は適切な価格で実際に乗って楽しみたい人のもとに
届くべきが理想なのです。

いつも申しますが私は時々来る、自分の持っている車を
買った値段よりも高く売りたいという問い合わせには
全てお断りしています。
我々プロがどこで仕入れて来たか知らない
噂話の相場に釣られていては
自らの首を絞める結果になるからです。
「個人が趣味の範疇で儲けようとするな」
これがそれを生業とするプロの言うべき言葉でしょう。

それをにわかブローカーやら節操のない車屋が目先の利益さえあれば
後のことはどうでも良いと、転売を持ち主に持ちかけようとします。
あるいはオーナー自身が株の投資のように自分の車で儲けを得ようとします。
非常に情けない話です。
何故なら買った動機は趣味のため。
であれば楽しんだ分、原価償却するのは当たり前でしょう。
そんなに車屋が儲けるのが嫌なら、それを本当に欲しがって愛してくれそうな
個人オーナーに買った値段そのままで譲ってやれば良いのです。

少なくとも当社はクルマ屋としての矜持を忘れず
その車の持って生まれた歴史背景、その車が今存在するべき立場
これを明確に把握し、次の世代に文化として伝えていこうと思います。

「車は単なる商売の道具では無いのです。」
私はその意味が共有できるお客様とだけ今後もお付き合いしていきたいと
思います。
そういう姿勢が元で当社が潰れたとしても、それは仕方がないこと。
男であれば自分の仕事に誇りと使命を感じ、ぶれないで続ける
これが一番大事なことです。

以前アメリカのニューヨークで、全米ランチャクラブの元会長の
方にお会いすることがありました。
お年はもう80歳近く
けれど好きな車は手放さず(ストラトスなど)
余生を楽しんでらっしゃいました。
車好きの人生のお手本を見たように思いました。
ピュアな生き方。
つまり真っ直ぐな生きかた
これを目指したいものです。

DSC028011.jpg
DSC028151.jpg
DSC028181.jpg
DSC028231.jpg
DSC028221.jpg

プロフィール

CASTEL AUTO

Author:CASTEL AUTO
「子供の頃から純粋に車が大好きだった」

そんな無邪気な少年は自然の成り行きで
1974年、伝説のシーサイドモーターに入社。
49年経った現在も車に対する愛情と情熱は冷めやらぬまま
今日もひたむきに走り続けている。

キャステルオート
鞍 和彦

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード

QR