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我々は誰のために働くのか?

皆さんおはようございます。

一週間ぶりに日本に戻りました。
今回の行先はフィリピンでした。
この国には私がシーサイドに勤めていたころから深い縁があります。
シーサイドが潰れる2年前くらい 1978年ころですが、
初めて社員旅行で己晴さんに連れて行ってもらったのがこの国。
その時の記憶は今でも鮮明に覚えています。
空港に飛行機が着きタラップを降りたときに、もわっとした南国の風が
身体を包みました。
なんとも言えない なまぬるいような風です。 
当時はまだ日本にもこの国の情報は多くなく
私も単純に東南アジアの貧しい国かと考えておりました。
事実空港を出てからタクシーに乗るとシートは破け、下の地面が見えていました。
勿論現在はそんなことは有りません。
ちゃんとクーラーも効いているし、タクシーの車両自体も新しいのが多いです。
ただ、今回8年ぶりくらいに訪れたこの国は
基本的な庶民の生活は変わらない、これが率直な印象です。
道路から一歩路地に入ると、そこには日本で言えばあばら家みたいな家が
並び、皆ランニングシャツで汗をかきながら働いたり、ぶらぶらしたりしています。
私はアジアはこの国以外には行ったことが無いのでわかりませんが
おそらく、インドネシアとかタイとかもこんな感じでしょう。
つまり国民生活の低層のレベルがどの程度でその国の民度が分かるわけです。
勿論、GDP世界3位の日本はトップクラスです。
北海道の最北端の街でも人々の暮らしぶりは都会とあまり変わりません。
つまり行政の手立てが津々浦々まで行き届いているということでしょう。

でも我々が普通に感じる社会の仕組も他の国ではまるで違います。
簡単に言えば貧富の差です。
その最大の原因はその国の経済力。
つまり商売上手かどうか、あるいは中東の産油国のように資源があるかです。
我が日本は先の大戦で壊滅的なダメージを受けたけど
持ち前の真面目さで見事に復興を遂げました。
最大の理由は? 
車を始めとする工業製品を、つまり海外に売れる商品を作るのが上手だったからです。
海外に商品を輸出して儲けたお金を国内に還元する
この手法で日本の経済は豊かになっていったわけです。
ところがここ20年くらい、他のアジア諸国、韓国、中国などの追い上げがすごく
今までのように単純に良いものさえ作っていれば安泰というわけには
いかなくなってきています。
つまり豊かさが浸透するとそこの国の民度は反比例するように下がるのです。
その意味は経済力ではなく、「精神力」です。
つまり精神力が腐敗する。
もっと身近に言えば、基礎となる家庭の崩壊です。
昭和の始めの頃まではしっかりと「家族」という絆があり
皆それを尊重するのが当たり前と考えていた。
なので家長であるお父さんには最大の敬意を払い、
子供たちは皆親の意見に従った。
だからお国の為、ひいては家族を守るためその大義名分で
兵隊にも行ったし、特攻にも出た。
自分の命を引き換えに家族を守ると信じて。

時は流れて戦後70年
原宿あたりを歩いている若者に「あなたは国を守る意識はありますか?}
そんなもの考えたこともないよ。
その国ってなんなの?
という返事が返ってくるでしょう。
理由は国の大元、家族の意識が崩壊しているからです。
国を守る、それを身近に言えば、家族を守るその原点がどんどん崩壊しているのが
今の日本。
そういって過言では無いでしょう。
それは当然都市部から始まります。
その国の動き方、それを象徴するのが東京をはじめとする都市部だからです。
もう、「核家族」という言葉を聞いてから久しいですよね。

私は今回フィリピンの友人から自分の孫の1歳の誕生日の
お祝いのパーティをやるからマニラまで来てくれと頼まれました。
誕生日会? たまに日本でも聞くけど どれほどのものなの?
身内の数人くらいでやるくらいか?
そう考えていた私はその会場に足を運んで驚きました。
まずかなり大きい宴会場みたいなところを借り
入口からデコレーションが満載です。
その親が車好きなので、ディズニーのアニメ映画 「カーズ」
のキャラクターを発砲スチロールで旨く作り入口を飾ってあります。
中に入るともう装飾が半端ないくらいの派手さ。
勿論メインステージは、カーズのキャラクターで埋め尽くされ
ケータリングは勿論、フィリピン名物の「豚の姿焼き」から始まって
所狭しと並び、子供が中心なので甘いスイーツも大量に。
ポラロイド写真もあり、ペイントのタトウも有りと
おまけに司会者兼の男はマジシャンで手品をたくさん披露し
ピエロもいて、それは大したパーティーでした。
私が驚いたのその内容だけでなく
参加者の人数の多いこと。
少なくても70~80人は来ていたと思います。
親戚縁者は勿論のこと、友達の友達まで。
何故?
フィリピンの人は「家族を一番大切にする」
これが基本だからです。
家族=全部の知り合い
だからこそ、少しでも豊かな人はこのようなパーティを何らかの理由で
際限なく行い、皆をもてなす
子供の場合は1歳から始まり、次は7歳、その次が17歳と
大人は結婚何周年のお祝いです。(カトリック信者は離婚は許されない)
理由には事欠きません。
彼はフィリピンの中央銀行に勤めているのでそこそこ裕福ですが
金持ちではありません。
私の感覚で日本でやったら200万は超すだろうと思うこの費用を
彼に聞くと、「秘密」と答えてくれませんでした。
自分の大切なお金を我が子のために惜しげもなく使う
それだけではなく、すべての知人も招待し、楽しんでもらう
その度量の大きさに私はたいした国だなと感心しました。

我々日本人が戦後得たもの、国としての経済力
半面無くしたもの、「家族愛、人間性、モラル」
今回はそれを痛切に学びました。

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プロフィール

CASTEL AUTO

Author:CASTEL AUTO
「子供の頃から純粋に車が大好きだった」

そんな無邪気な少年は自然の成り行きで
1974年、伝説のシーサイドモーターに入社。
49年経った現在も車に対する愛情と情熱は冷めやらぬまま
今日もひたむきに走り続けている。

キャステルオート
鞍 和彦

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