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カウンタックは起死回生になったのか? その2

皆さんおはようございます。

日本第一号のLP400のその後です。
当時シーサイドには数人の谷町的なお客が存在しておりました。
いわゆる車好きな富裕層です。
その中でも飛びぬけて有名な、また派手な存在の方がおりました。
安田銀二さんと言う方です。

この方は日本レース界の黎明期には必ず名前が出てくるほどの
レース好き、スポーツカー好きで有名な方でした。
己晴さんも同じく、
今は伝説の船橋サーキットの時代からレースに参加していたので
親交があり、ショールームが出来てから良くお見えになるようになりました。
毎回必ず、我々が「ミーコちゃん」と呼んでいた
小柄ですがとても可愛い彼女を連れてきました。
残念ながらお二人とも既に他界されましたが。

この時もカウンタックが入って間もなく横浜にお越しになり
ショールームの車を見ながら己晴さんと話をしておりました。
商談だったのでしょう、直ぐに話はまとまり
めでたくファーストオーナーが安田さんに決まりました。
安全基準や、排ガス規制などかなり登録には手こずりましたが、
なんとかナンバーの取得が出来ました。
フロントにはかろうじてバンパーらしきものが付いていますが、
リヤーには何もも無いわけです。
この頃の常識では前後にバンパーが有るのが当たり前
その既成概念を覆すインパクトがこの車にはありました。

最近でも聞かれるのが 「後方視界はどうなんですか?」
答えは真後ろはルームミラーを通してよく見えます。
しかし、斜め後方は絶望的に見えません。
つまり まともなドアミラーを付けないと右も左も全く見えないのです。

ところが初めての、この個体にはドアミラーなど無し、
メーカーの言い分は「好きなものを付けてね」
なので、当時の「ビタローニのセブリング」やら
他の物を持って来てはどれが良いのか悩みました。
何しろあまりにもスレンダーな彫刻のようなデザインなので
ヘタなものを付けてしまうと、イメージが台無しになります。
この問題は1980年頃のメーカー指定のミラーが付いてくるまで続きました。

そんなわけで日本にたった一台しかないLP400は安田さんのお住いの
東京、原宿界隈でよく見かけるようになったのです。
同じ年の(1975年)秋に、
東京の晴海ふ頭にあった国際展示場で外車ショーが開かれました。
まだ、例のスーパーカーブームが起こる前です。

当時シーサイドは、
輸入者協同組合なるものに加盟していましたので参加することになり、
インパクトの強いカウンタックを安田さんに借りることになりました。
まだこの「カウンタック」という車自体が世に知られていない時期です。
一台だけ少し高い台の上に置かれたわけですが、
思いのほか反響、反応は乏しいものでした。

理由はあまりにも他の車と比べて、
デザイン、エンジンなどそのコンセプトの違いが在りすぎて、
一般人には受け入れられなかったのでしょう。
その価格も当時のシーサイドの価格表に「1890万」とあります。
物価が現在の3分の一ですから、今で言えば 5670万
トヨタのクラウンがまだ120~150万の時代ですから桁が違うと、、
そんな一般人が見向きもしないカウンタックをまるでおもちゃを買うように
買われた安田さんは、今思えば大した男でした。

そのショーが終わった時、
安田さんは自ら車を引き取りに晴海までお越しになり、
私が何かの用事で御自宅までついて行くことになりました。
会社の社用車ホンダのシビックです。
晴海から原宿までは銀座を抜け、皇居の横を通ります。

安田さんはヘビースモーカーで知られており、
直ぐに車の灰皿が一杯になりましたが
この時も運転しながら煙草を吸っておりました。
カウンタックには一応申し訳程度の灰皿が
センターコンソールに付いています。

車は晴海から銀座4丁目とさしかかり、
例の三越のある交差点で赤信号で止まりました。
するとおもむろに安田さんはスイングドアー(ガルではなく)を開けて
タバコの吸い殻をポンと外へ弾きました。
真後ろで見ていた私は、
「あぁ、やはりこれくらいの人でないとこの車は似合わないな」
率直にそう思いました。

最近よく動画などで見かける、ドアを開けてこれ見よがしに走る
ディアブロなどのアホなドライバーとは「格が違う」という訳です。
カウンタックと言う車は、今までの既成概念を全てぶち壊すくらいの
メチャ、アバンギャルドな「物体」
と言う事は、それを自分の支配下に置けるのは、
それを乗り越えくらいのインパクト、個性を持つ男、
そう言う意味です。
それを逆から言えば、これらの車を停めて降りた時
車の個性を超えるくらいの存在感が無いと笑われるよとういう話。
それらのオーナーの方々、自信は有りますか?
もしないなら、ポルシェでも乗るべきです。

この第一号車は2号車の黄色が入って来て
安田さんは直ぐに下取りに出して、その黄色に乗り換えました。
暫く、在庫車となっていたのですが、
ある時、己晴さんがゴルフに行くのに乗っていくよと言う話になりました。
彼も少しは興味があったのでしょう。
そうしたら、夕方会社に電話が入り、「ガソリンは何処から入れるんだ?」
この車は外に給油口のようなフタは有りません。
左右のNACAダクトの内側にしかも丁寧に隠すようにして、
ガソリンの入れ口があるのです。
なので、外からはまず分からない
だから己晴さんは困った、そういう笑い話でした。

このカウンタックと言う車はその後のスーパーカーブームの
主役となり数々のエピソードを生むのですが、
そのお話は次回に。
プロフィール

Castelauto

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