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BB, ベルリネッタ ボクサーは もうビンテージか?

皆さんおはようございます。
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私はこのフェラーリ初のミッドシップ12気筒を積んだ「BB」には
かなり大きな思い入れがあります。
私がシーサイドモーターに入社したのが、1974年の4月
そして日本に始めて顔を見せた「365BB」が横浜に到着したのが
1975年の4月
その頃私は念願が叶って2階の工場から1階のショールームに転属され
毎日ワクワクと朝から夜まで車を磨いておりました。
何しろ車好きにとっては夢のような職場
今みたいに、何処の中古屋に行ってもフェラーリやランボルが置いてある時代では
ありません。
しかも相手は世界の最高級のスポーツカーと言われる フェラーリ、ランボルギーニ
マセラーティ 各ラインナップ。
それらが綺麗なイタリアンタイルを敷き詰めたショールームに並んでいるのだから
これ以上望むことはありませんでした。
私の記憶では、フェラーリは
365GTB/4 ディトナ
246GT ディノ
330GTC
365GT 2+2 など。
ランボルギーニは
ミウラ
エスパーダ
ヤラマ
ウラッコ
シルエット
マセラーティは
ギブリ
インディ
カムシン
ボーラ
メラック など
名前を挙げただけでもそうそうたるラインナップ
これに加えて
カウンタック LP400
365BB それぞれの新車が加わるわけです。
当時の子供たちが一目見たさにショールームに群がるのも無理はありません。
余談ですが、元中日のピッチャーで中年の星と言われた
山本 昌さんも小学生の頃実家が本牧だったので、チャリンコに乗って
シーサイドまで車を見に来ていたそうです。
今彼はミウラを持っているのは有名ですよね。

話しは戻ります。
この365BBは同時に2台の新車が日本に入ってきました。
通関は東京の大井ふ頭でした。
ボディカラーが 定番の赤と、もう一台はダークブルーでした。
赤のBBは私とも親しくしていただいた、東京葛飾の 「市川 人世さん」
が購入なされたので、そのまま東京にあったのですが
ブルーの方はシーサイドに回送されました。
なので私が初めてBBを見たのは、1975年の4月頃
用事で外出していた私が会社に戻ると
時間は夜の6時頃
そのBBはショールームの入り口に入れられて
静かに佇んでおりました。
照明が当たったBBはダークブルーの塗装とも相まって
何か近未来のデザインの様に見えました。
その前のモデル、大きくラジエターのインテークが開いた
歴代の12気筒シリーズと比べると
はるかに小柄で、モダーンなデザイン
かなり軽いドアーを開けてコクピットに乗り込むと
メーター類が全部デジタルでしかもメーター自身の照明が「オレンジ」
その前身のディトナはアナログのぼんやりとしたランプでしたので
かなり衝撃でした。
しかもディトナと違い、ドライビングポジションがかなり前になっていて
そのせいかフロントガラスが近く、172センチの私でも頭がガラスの上部に当たりそうでした。
私は最初違和感を覚えましたが、その後走らせるとむしろ
フロント周りの左右が見やすく、スポーツドライビングには適しているなと分かりました。
比べて、ディトナは低いシートポジションからはノーズの先は見えなくて
言わば長いノーズの車を後ろに座って運転すると言う感じ
なので狭いコーナーではステアリングの切り方がかなり早めでないと
慌てるという感じ。
BBは その真逆で常にドライバーの目線からフロントのタイヤホイールの動きが見やすいと
その違いがかなりはっきりと出ておりました。

勿論まだ新米の私にすぐ運転の機会が与えられるわけでなく、
社長 己晴さんに走らせても良いですか? と機会を伺っておりました。
何しろまだ日本に2台しかない貴重な車、
しかも新車、
当時の販売価格は 1850万だったように覚えています。
今の物価にして 5500万ですか。
そうこうしているうち、思ったより早くチャンスが訪れました。
己晴さんの親しいお客で、当時ディトナを走らせたら誰にも負けないと異名を持つ
「松崎さん」が噂を聞きつけてシーサイドに来られました。
どれ、俺のディトナよりも速いのか? てなもんです。
解説すると松崎さんのディトナはあれから43年経った今でも
あれほどエンジンの良い個体は見たことがありません。
それほどスムーズでメチャ速いディトナでした。
運転も飛びぬけて荒々しく飛ばす人でした。
松崎さんは興味深そうにBBを見ると
己晴さんに、乗っけてくれよ~ と頼みました。
すると己晴さんは しょうがねえな、鞍ちゃんが運転するなら良いよ、、、
私は一瞬「えっ!」 
まあ、運転には当時から自信がありましたが、
まるきりの新車、しかも始めての車、
さすがにドキドキしました。

続きは明日。
この写真は1977年頃
ガラスの後ろに子供たちがいるよね。
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プロフィール

CASTEL AUTO

Author:CASTEL AUTO
「子供の頃から純粋に車が大好きだった」

そんな無邪気な少年は自然の成り行きで
1974年、伝説のシーサイドモーターに入社。
49年経った現在も車に対する愛情と情熱は冷めやらぬまま
今日もひたむきに走り続けている。

キャステルオート
鞍 和彦

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