皆さんおはようございます。
前回、マセラティのギブリとの出会い、
そして初ドライブの瞬間がやって来たところまででした。
今でもそうですが、
運転したことの無い車に初めて乗ってエンジンをかける瞬間は、
慣れている私でも「ドキドキ」します。
どんなエンジン音か? 特に昔のキャブ車ではスムーズにふけあがるのか? など。
勿論、足車で毎回ドキドキしていては仕事に差し支えます。
なので何の心配も無く、同じように始動する
日本車などがベストです。
私は少し拘りがあってベンツに乗っておりますが。
このシーサイドモーターに入社する前、
私のドライビングスキルは”ホンダのN360”という軽自動車に始まり、
”ホンダ77 クーペ”その次が”トヨタの初代のセリカ1600GT”
ここまでは親のすね。
少し間を置いて買ったのが”ホンダ Z360” という軽自動車
リヤーウインドウが「水中眼鏡」のようなデザインのこの車は
何故か気に入って2台も乗りました。
そんな車で制限速度80キロの第三京浜道路を
私はアクセルペダルを床まで踏みつけて
100キロで走りました。
マセラーティ ギブリの初期型でも4700cc
後期型は 4900ccです。
フェラーリと比べるとエンジンがV型8気筒のせいか
トルク重視で、わりともっさりとした吹け上がり。
同時期、フェラーリは 365BTB/4 通称ディトナでしたが
フェラーリがレーシングエンジンとしたら、
マセラーティは気品はあるが角を隠した乗用車ぽい感覚。
ディトナが機能優先でダッシュボードも「布張り」だったのに対して
ギブリはメーターパネルからとにかく全部革張り
長屋育ちの私にどちらが「贅沢な車」に見えたかは言うまでもないでしょう
そう言うわけでガソリンを入れてくるよう命じられた私は、
興奮を抑えるように平然とした顔を装って
ドライバースイートに収まり、まずはクラッチを踏んでみました。
ペダルに張られたゴムは大きくストロークもかなりあります。
おまけにけっこう反力が強く重たい。
アクセルペダルも結構重い。
私は「大丈夫か? 本当に動かせるのか?」
と不安になりました。
おまけにかなり低いドライバーシートに座ると
ダッシュボードが高く、前がよく見えません。
おまけにギブリは超ロングノーズ
慣れない私にとって、最高に難しい車でした。
そうはいっても、トロトロしているわけにはいきません。
私は覚悟を決めて、小さいイグニッションキーをひねりました。
それはステアリングコラムでは無く、ダッシュボードに付いていました。
重たいセルが回ると、同じく重たいエンジン音がして
火が入りました。
低い独特のサウンドです。
続く