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物の価値、相場は誰が決めるのか

みなさん おはようございます。

私の仕事は、自分の長いキャリアで得た沢山の情報を元に
車好きの人に相応しい物を提供する、
そのお手伝いをする、それにつきます。
この数年で起こったヴィンテージスポーツカーの異常なほどの価格高騰
その主な原因は、投資ファンドの連中が絵画などと同様、
利益を得たいが為に相場を主導し、
オークションなどで価格を吊り上げてきたことにあります。

それまではどんなもデルであろうとも我々車屋にとり
納得がいく相場観でした。
例えば ミウラ。
この車などは、整備やレストアの難しさ故、
普通の個人では手が出せなく、それにより相場も常識の範囲
3500~5000万円で取引がなされておりました。
約10年ほど前の話です。
ところが現在は?
ボロい状態であろうとも8000万~1億
私は絶対に賛同できない数字です。
確かに物の価値や値段は人間が決めるもの。
しかし、この10年間で誰が急にミウラの価値を目覚めさせたのか?
それは純粋な車好きではなく、乗りもせず、倉庫にしまうだけの
欲しか目に留まらないファンドの連中です。
あるいはそれにつられて、右往左往する俄か投資家ぶるオーナー達
私が車屋稼業に首を突っ込んだのは、今から44年前
その頃、この日本にはまだイタリアのスポーツカーは数少なく
ポルシェでさえ、たまに見る程度
ディノでさえシーサイドに出入りする車は5~6台と言えば
お分かりになるでしょう。

ではその頃のそれらオーナー達のモチベーションは?
純粋な車好き。
また車に対しての考え方、
手放すときの下取り価格にせよ、買取価格にせよ
楽しませてもらったのだから、その分下がるのは当たり前。
極端な話、ロールスロイスなど
新車で数千万、でも半年乗った時の買い取り額は 半値。
「なんだそんなにまだ値打ちがあるのか? ガハハハッ」
と笑える人が真の金持ち、あるいはロールスに乗るにふさわしい人
そういう感覚でした。

最近は 「俺は投資目的も兼ねて車を買いたい」 ?
私は黙って対応しますが、内心は何をフザケタ事を言ってるの
そんなに金儲けしたいのなら、株でも先物投資でも仮想通貨でもやれば?
そう思います。
その意味は当たり前ですが、我々車屋はお客に車を買ってもらって
楽しんでもらうための職業。
投資相談係では無いからです。


相場の高騰
これは私にはどうする事もできません。
けれどそれを真剣に憂いている真面目な車好きの車屋がいる事も
覚えておいてください。

この道44年のスポーツカーの歴史を知り尽くした
キャステルオート 社長
鞍 和彦

プロフィール

CASTEL AUTO

Author:CASTEL AUTO
「子供の頃から純粋に車が大好きだった」

そんな無邪気な少年は自然の成り行きで
1974年、伝説のシーサイドモーターに入社。
49年経った現在も車に対する愛情と情熱は冷めやらぬまま
今日もひたむきに走り続けている。

キャステルオート
鞍 和彦

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