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細野 輝ちゃんの奮闘記 その3

みなさん おはようございます。
6月20日のカウンタック追跡その2からの続きです。間が開いて申し訳ありません。

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さて、前号では原宿にいた輝ちゃんをピタリと探し当て、
仲間にカウンタックの捜索を依頼したところまででした。
懸賞金は30万円、今で言えば100万円です。
但し、仮に見つけても、停まっているならともかく、走っている場合
車をどうやって停めるのかなど、かなり難しい注文です。
相手は捕まりたくない一心で逃げようとするでしょう。
よくテレビの特番スペシャル”警察24時”とかで
パトカーの追跡に逃げるバイクとか車がいますよね、
その時に無理でもされて、ぶつけられたりでもしたら元も子もありません。
おまけにこちらは民間ですから、サイレンも赤色灯もありません。

正直、私にも広い東京を当てもなく探し、見つけ出し、無事に確保することは
不可能ではないかという思いでした。

でもじっと座っていては何も解決はありません。
私は輝ちゃんに頼み、彼の狭いロータスヨーロッパの助手席に座ると
夜の東京を走り始めました。

まず目指したのは銀座です。
少し場違いかなとも思いましたが、ともかく行ってみようと。
銀座4丁目に着き、車を止めて30分ほど探しましたが
それらしき車はありません。
次に向かったのが六本木、そして池袋です。
この時に、渋谷に行かず、池袋にしたのが幸いでした。
理由は輝ちゃんの仲間のアメリカンカークラブの連中が一足早く
池袋の繁華街を流し、そのあたりにもいるカークラブの連中から
情報を集めていたのです。

曰く1時間前にその車が新宿方面に走るのを見たと。
私はしめたと思いました。
意外にもカウンタックは狭い範囲でしか移動していないなと。
時刻は夜の10時を過ぎていました。
後日、新宿署の人に聞いた話ですが、
犯人は昼間、原宿を走り回った後、実家の北区の赤羽に行き
そして再び夜になって新宿方面に戻ってきたそうです。
何故戻って来たのかは聞きそびれましたが、少なくとも
犯人が夜はおとなしく 実家でもどこでも車を隠していたら
この捜索劇は完了しなかったわけです。

まさか平日もあての無い捜索を続けるほど、皆暇ではありません。
但し、私はその車が原宿にいて、見せびらかすように走っていた
という事実があった以上
必ず再び戻るだろう、という考えがありました。
ですので、私一人でも毎日原宿に待機してやろうというわけです。
その考えを輝ちゃんに話すと、俺も付き合うよと、
そのころ彼は歩合の営業マンをやっていたので時間があったのですが
本当に気の良い男です。

話は戻ります。
池袋周辺で有力な情報を得た我々は新宿を目指してロータスを走らせました。
その時なぜか四谷を廻って、靖国通りを新宿の大ガード目指して行きました。
その靖国通りと明治通りという池袋からの3車線の大きな交差点で
ロータスは赤信号で止まりました。

その時です!!
池袋方面から何やらボボボという大きな排気音が聞こえ
暗闇の中、更に漆黒のカウンタックが白いストライプを靡(なび)かせながら現れたのは。

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そいつは我々の運の良いことに明治通りを右折しようとして
一旦停車したのです。
ロータスは信号の一番前に止まっていたので、
本当に眼の前、わずか7~8メートルの間隔です。
その時に感じたことは、昔別れた恋人に思いもかけぬ場所で再会をした時のような
憧れの大スターが突然目の前に現れたような
言葉にできない思いでした。

そのせいか、私はあっと言ったまでは良いのですが、次の言葉、行動が出てきません。
ところが輝ちゃんはその言葉を聞くまでもなく、その言葉よりも早く
ロータスのドアーを蹴飛ばし、目の前の獲物めがけて走りだしました。
その素早さはアフリカの草原のスピードキング チーターよりも早かったほどです。

輝ちゃんはカウンタックに素早く近づくと斜め後方からドアーのレバーが
あるNACAダクトに手を入れ、ドアーを開けようとしました。
ところがさすがに用心していたのか犯人はロックしていたのです。
その気配に気ずいたのか、輝ちゃん曰くドアーガラス越しに一瞬目と目があっただけで
犯人は全てを理解したのでしょう。
カウンタックLP500Rを新宿の大ガードめがけて大音響の排気音とともに
右折して逃げようとしました。

私がようやく狭いロータスの車内から外に出てカウンタックに駆け寄ろうとするより
速く、そいつはすでに動き始めていました。
これで逃げられたらアウトです。
すると輝ちゃんは無言で走り始めたカウンタックを追うと
大きなウイング越しになんと自分の体をジャンプさせ
エンジンフードの上に飛び乗ったのです!!!
これはよほど身軽な人でなければできないことですし
それよりも万が一振り落とされたら ただではすみません、

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このアクロバットな行動が上手くいったのには二つ理由があります。
一つは輝ちゃんが海上自衛隊出身で体を鍛えていたこと、
しかも小柄な体に軽量な体重であったこと。
今の私みたいにメタボでは絶対に無理。
もう一つは、カウンタックのエンジンフードの両サイドに
空気を取り込む大きなダクトが左右にあったことです。
輝ちゃんはそこに両手をかけ振り落とされないようしっかりつかまりながら
カウンタックのルーフ越しに新宿のネオンが輝く歌舞伎町あたりの景色を
堪能したわけです。

犯人もルームミラーを見たら輝ちゃんの顔が大写しで出てきて
かなりびっくりしたことでしょう。

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続きは必ず明日。

プロフィール

CASTEL AUTO

Author:CASTEL AUTO
「子供の頃から純粋に車が大好きだった」

そんな無邪気な少年は自然の成り行きで1974年伝説のシーサイドモーターに入社。
46年経った現在も車に対する愛情と情熱は冷めやらぬまま
今日もひたむきに走り続けている。

キャステルオート
鞍 和彦

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