フェラーリの12気筒の流れ その2

皆さんおはようございます。

私はご存知の様に1974年に横浜にありましたシーサイドモーターに入社しました。
今から38年も前の時代です。
その頃は、スポーツカーと言えば ポルシェの時代です。

ドイツ車であり、その車体の小ぶりな事といい、ミツワ自動車のディーラーの体制も整っていて、
日本全国にポルシェファンがいて、そのオーナーがいるという時代でした。

かたや、フェラーリはどうか?
まだ全然正規のディーラも無く、僅かの個人輸入、あるいはシーサイドのような中古並行
を輸入する車屋が数件あったのみで、その数はごく僅かなものでした。

私が入社した1974年で調べてみても
日本全国で、ディトナが数台、ディノも数台、60年代の今回のお話に出てくる
250系などは2~3台くらいしかなかったと思います。
それだけ、フェラーリは敷居が高く、かつメンテナンスも何処にも頼めない、
というか誰も触った事もない。
しかも値段も高いとくれば、よほどの度胸がある人しか買って乗ろうかとは
思えない車であったのです。

私の個人的な意見としては、フェラーリが割と大衆向け?になったのは
308系が登場して、意外と壊れない、割とよく走る
その評判が定着した1976年頃からの話だと思います。

さて、今日はその60年代のフェラーリのお話です。
ここに登場するのは 250GT Lusso(ルッソ)
という車です。
1962年から1964年にかけて作られたこの車は
名前の表す様にスパルタンとは対照的な ある意味ゴージャスな車でした。
Lusso とはイタリア語で 豪華という意味です。

250 Lusso peter 10

250 Lusso peter 9

250 Lusso peter 11

私は幸い、この車を今までに3台ほど販売しました。
一番最初は1990年代の始め、価格はバブルがはじけ、フェラーリも
値段が下がり、確か1300万くらいだったと記憶しています。
その次は90年の後半、その頃は3000万くらいの相場で、
少し人気も出てきたのかなと思いました。
何しろ、90年以前は全然人気が無く、誰も見向きもしないような車だったのです。
ところが現在は幾ら?
6000万以上の値をつけています。
大化けした中の一台でしょう。

エンジンは当時のフェラーリを代表する、コロンボデザインの12気筒。
多少の仕様の違いはあれど、基本は殆どどの車にも同じエンジンが乗るという
名作の誉が高いエンジンでした。

私が走らせたこの Lussoの2台目の車、濃い紺色でしたが
エンジンが調子よく、廻せば廻すほどトルクと馬力が出ると言う感じで
走らせて非常に楽しい車でした。
ミッションはエンジン直結のダイレクト感のあるもので、
これも カチカチと小気見よい入り方をしました。

それ以前に乗った 250SWBがあまりよくないエンジンだったので
初めて私は250系の真髄に触れた思いがしました。

これはその後のディトナ、ディノなども同じで
10台あれば10台フィールが違うといっても過言ではありません。
その平均値を知るには少なくとも5~6台以上は乗らないと判りません。

ある人がディノを買いに行ったら、2速のシンクロが駄目でギヤー鳴りを
する事を指摘すると、ディノはみんなこんなものです と言われたという
笑い話がありますが、知らないというのは恐ろしい事でもあります。

250 Lusso peter 1

面白いのはこのメーターの配置、
通常はフェラーリはスピードと、タコメーターをはさんで各種のメーターを
配置するのですが、何故かこの車はダッシュの真ん中に大きな
スピードとタコメーターを配置しています。
しかも技とスピードを助手席側に置いて。
これは助手席に座らせた、可愛いオネーチャン? に
アウトストラーダかなんかを飛ばして、スゲーだろ今180キロも出ているぜ
と見せびらかすため?
のようです。
こんな茶めけのあることをエンツォは許すということだったのでしょうか。
楽しい時代ですよね。

250 Lusso peter 2

シートは結構なバケットタイプです。

250 Lusso peter 5

これが名機、コロンボデザインの 12気筒です。

250 Lusso peter 6

ヘッドカバーが大きいのは シングルカムの証です。
7000回転で 250馬力と言われています。

フェラーリの12気筒の流れ。

250GT SWB
1959~1962年
2953cc
280馬力

250SWB 2005-11

250GT SWB


皆さんおはようございます。

デイトナの解説から少し間が空きましたが、フェラーリの12気筒の歴史を
ここで簡単に解説したいと思います。
フェラーリ社の歴史は1950年代に遡るわけですが、当初からV型12気筒を
エンジンの設計技師だった、コロンボ氏は選んでおりました。
その理由は様々な意見がありますが、アルファなどの4気筒、ポルシエの6気筒
などとは、格が違う高性能ユニットの象徴との意味で選んだのではないかといわれています。

最初期のエンジンは 125Corsa Sport と言う車に積まれた
1500cc V12気筒 1シリンダーあたり124ccでX12で1496cc
次が 166Mille Migliaに積まれた
2,000cc V12
その次は195 Inter に積まれた
2,300cc V12
その後
212 Export
2,600cc V12
250MM GTO TR あの有名な250シリーズですが
3,000cc V12  246ccX12=2953cc
次に 275GTB用として 3300cc
その次が 365GTB/4 Daytona 用として生まれた
一気筒あたり365ccの排気量で 総排気量4300ccの
フロントV12気筒として究極のエンジンと言われた名作を産んだのです。

この70年を境にフェラーリ社はV型12気筒を止め、水平対抗に転換します。

私は残念ですが、60年代のフェラーリには少ししか触れておらず
250シリーズでは 250GT、SWB、 250GTE 250GT Lusso
この3台だけしか運転した事がありません。
そこで記憶をたどってその時の印象を振り返ってみたいと思います。

まず、250GT SWB
このSWBというのは ショートホイールベースの頭文字です。

CIMG4038_3383.jpg

250SWB 2012-1


この車は、スチールボデイ、アルミボディ、アルミコンペテションの3つのタイプが
あります。
もう15年位前になりますが、このうちアルミのコンペテションを販売目的で
ある人から預かったのです。
色は黄色でアメリカでフルにレストアされた固体でした。
当時でも1億円はしていたと思います。現在なら3億以上はするでしょう。

ですので私は慎重に走らせたのですが、まず第一印象は
あまり速い車ではないな 
と言うものでした。
ボデイはアルミでしたし、内装も殆ど無いような簡素な作りでした。
ただ、エンジンは意外と重く、3000回転くらいからフルスロットルを
くれやっても、加速はいまいちでした。
多分、いま考えると高価な車ゆえ、殆ど走らせていなかったのが原因と思います。
それとその頃、365GTB/4 デイトナなどもっと大排気量のエンジンを
もつ車に親しんでいたので、この3000ccのエンジンが物足りなく感じたのでしょう。

ただ、その後250GT Lussoに乗ってからは印象がかなり変わりました。

その話は明日。




ディトナの本質 それはエンジンだ。

皆さんこんにちは。
昨日も大阪に買い物に行ってきました。
先週は九州の博多でした。
どちらも大阪からの自走で帰りましたが、まもなく第2東名の開設の看板が
目に付きました。4月後半から。
たしか制限速度が120キロですよね?
それだけ速く移動できると言う事ですから待ち遠しい事です。

私はヨーロッパへ多数行きますが、ドイツのアウトバーンでは速い車は
150キロ以上で走るのが当たり前、
イタリアのアウトストラーダでも皆大体120~130キロくらいで走ります。

昨日の車は割りと新しい車でしたので、東名を120~130キロくらいで
走りました。 もちろんバックミラーと相談しながら。
ちなみに私の免許はゴールドです。

さて、前回の続きのディトナの話です。
この車はそれ以前の 330GTCや275GTBなどと比べると
スタイルは地味です。デザインしたピニンファリーナに言わせると
空気力学的に抵抗の少ないボディデザインだと言うわけですが、
それでもフェラーリの基本のロングノーズ ショートデッキのスタイルになっています。
全長はけして長い車ではないのですが、シートの位置が後方に配置されているため
ドライバーの眼からはフロントボンネットはかなり長く見えます。
ですので、タイトなコーナリングではノーズを振り回すと言うような感覚です。
ディノの自分を中心に駒のように回る感覚とはだいぶ違います。

話がそれました。
今日の主題はエンジンです。

daytona-r10.jpg

daytona-r112.jpg

今更細かいスペックは省きますが、フェラーリが始めて製作したV型12気筒の
集大成がこのディトナのエンジンだと言うわけです。
年代ごとに 166から始まって、250、275、330、365と排気量を増やし
このディトナで4300ccの大排気量のエンジンになりました。

それ以前の例えば330GTCと比べて何が違うかというと、
まず、トルクです。
ディトナもけして車体の重量が軽くはありませんが、
1速で発信する時、ほんの少しアクセルを踏み、クラッチをミートするだけで
この車はスムーズに動き出します。
逆に静止時にアクセルを3000回転くらいに上げ、
クラッチをスパッと繋げると、ディトナはものの見事にリヤーホイールを
スピンさせ、その後猛然と加速体制に移ります。

但し、このパフォーマンスを行うためには完璧なエンジンのバランスが必要です。
それは音で判ります。
アイドリングの時のエンジン音、全く雑音が存在せず1000回転を基準にピタッと安定していること
またすっと3000回転まで上げた時のエンジン音、この時も余計な音は一切せず
澄んだ川の流れの様に完璧に12気筒がバランスよく回っている
まるでモーターのような音が必要なのです。

私も今まで30台以上は越す、ディトナを存分に味わう事を経験してきました。
初期のノーズがプレシキのモデル、最終型にある、A タイプと言われる
車体番号を持つモデル、
勿論、USA仕様も多数乗りました。

その中で言うと、4,5台に1台くらいは良いエンジンがあります。
この手のエンジンを触らせたら、神様と私が思うKさんに言わせると
みんな構造を深く勉強せず、安易にばらして組み立てるから調子が出ないんだよ
と言います。
それくらい、このエンジンはデリケートで完成度の高いエンジンなのです。

たまたま現在当社でフルのレストアを行っている ディトナがあります。
その車のエンジンはKさんにお願いしてみました。
もうすでに終わって組み立ては終了していますが、その画像をお見せしましょう。
彼曰く、組み立てのコツは企業秘密だそうです。

2012 02 13_5143

2012 02 13_5144

手前にあるのは後輪のデフと一体になっているミッションです。
之ゆえ、ディトナはシフトがリモートになるわけですが、
意外とそれぞれのギヤーへのエンゲージは軽く、
手首の軽い操作で入ります。
これはこの車の美点の一つです。

2012 02 13_5148

この次はそれ以前のフェラーリのエンジンとの比較、
また、その後のBBに移った水平対抗との比較、それらを解説したいと思います。

下の車は私がオーストリアのウィーンで買った車です。
現在東京にあります。
私はこの真横からのラインが最も好きです。

daytona gureen 019

君はディトナを知っているか?

365GTB/4 Daytona
1969年から1974年まで。約1200台の生産。
これはその時代のフェラーリとしてはかなりな台数。それだけ人気と
需要があったということ。
下の前期型の通称 パースペックスと言われるノーズを持つのが原型
120台が作られた。
その後のヘッドライトが上がるポップアップと言われるモデルは、アメリカの連邦基準に
あわせるために改造された、フェラーリで最初のリトラクタブルモデルだ。

daytona-r52.jpg


みなさん、おはようございます。
生産台数が多かったせいなのか(1200台)その他の60年代のモデルと比べたら
相場はそれほどは上がってはいませんが、それでも10年前の約2倍にはなってきています。
現在は平均レベルで 3500万から~ レストアレベルですとそれプラス1000万です。

特にアメリカでの人気が高く、彼等はフェラーリで唯一ホットロッド的なパワーを誇る
この車の愛好家が多いわけです。
私は幸いシーサイドに在籍した時から、この車に数台も触れることが出来、
その頃のスポーツカーの中では最高と言えるパフォーマンスを堪能することが出来ました。

よくこのディトナのエンジンの事を論評されますが、
少なくとも5,6台以上は乗り比べなければ本当のところはわかりません。
1970年代ならまだしも現代はすでに40年以上の月日が経っているからです。

daytona-r1.jpg

当社で販売するビンテージは新車時の9割はそのパワーが発揮できる事を前提に
しています。
それなら100%のデイトナとはどういう車だったのか
ここで簡単に解説しましょう。

まずエンジンの始動からですが、これは意外と簡単です。
イグニッションを入れて、電磁ポンプが6個のウエーバーキャブにガソリンを送り込み
聞こえるカチカチというスピードが遅くなればOKです。
まず、するべきことはクラッチを踏む、これはセルモーターの負担を減らすのと
誤って車が動くのを防ぐ意味もあります。

次にアクセレーターを大きく3回ほどストロークする。
これで準備は完了です。
あとはセルを回すだけで殆ど一発でディトナのエンジンは目覚めます。

daytona-r2.jpg

続きは後ほど。

328GTBのお知らせ。2012年2月7日

皆さん こんにちは。
今日、関東は久しぶりの雨です。これで乾燥注意報が解除されるかなと思います。


お知らせです。
前に328GTBの1988年式が在庫で入った事をお伝えしましたが、
新たに 87年式(前期型)の328GTBが入荷することになりました。
勿論、こだわりの私ですから、ドイツ仕様の完全なヨーロッパモデルです。
色は赤で内装は黒。コンデションは抜群です。走行距離は29,000キロ

いつも言うように328は80年代のフェラーリの中では屈指の良くできた
スポーツカーです。
勿論そのルーツは1977年から始まる308シリーズです。

DSC01983_2641.jpg

これで始めてミッドシップ V型8気筒を採用したフェラーリは
これを進化させ、2バルブから4バルブへ、排気量も3リッターから3200ccに変更し
極めはシャシー、フレームの相当な強化を図りました。
つまり、328は308からの10年間に及ぶマイナーチェンジの最終型とも
言うべきモデルです。

1977年当時は私はシーサイドモーターに在籍し、並行輸入の形で
会社が入れた308GTBのファイバーモデルの新車20数台を販売しました。

308GTB 2010 silber 6

この308は今見ても非常にクリーンなボディですよね。
ところが残念なことに、この車はくたびれるのが早く、
良いコンデションのものは殆どありません。

308GTB 2010 silber 3

その後、1980年に入り、308クワトロバルブ、その後の328とマイナーチェンジを行い
私は全て新車で数十台も販売し、乗ってきました。
その評価の結論は、最終の328がベストであると。
これは全ての新車を運転した私が言う言葉ですから間違いはありません。

328GTB1[1][1].

その理由は
1、とにかくよく出来た剛性感抜群のシャシーフレーム。
  その故に全く遊びの無いステアリングフィール
  操舵性はその後の348、355をはるかに上回る。
2、殆どキャブレターと同様のレスポンスの良さを誇るエンジン
3、308からの美しいデザインをそのまま残したボデイ
4、非常にタイトな運転席の狭さ。それ故一体感が生じる
5、20数年経った現在でも価格が安定している
などです。

328GTB 2010-5


是非、お越しいただいて、その良さを実感してください。
88年の後期型と87年の前期型 その両方からお選びいただけます。
プロフィール

Castelauto

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